大坂なおみが「全米オープン」で優勝!!
女子シングルス決勝で憧れのセリーナ・ウイリアムズ(アメリカ)を破り、見事日本人初のグランドスラムシングルスで優勝を成し遂げました。
試合後のセレモニーでは、ブーイングを受けるなど大変な思いをしたようですが、彼女独特のスピーチで会場の雰囲気を変える一幕もあったようです。
セレモニーの動画が出回っていますが、もちろん英語なのでよくわかりません。内容を知りたかったので、日本語に訳されているものをまとめてみました。
大坂なおみのの優勝を祝いながら、成長したメンタル面を垣間見てみましょう。
1.決勝進出決定後、「私は本当にセリーナと…」
大坂なおみは、準決勝で前年準優勝のキーズを圧倒的な強さで倒しました。日本人女子史上初となるグランドスラムの決勝進出が決まり、試合後のオンコートインタビューの場面。
インタビューアーの「13度あった(相手の)ブレークポイントですが、13回凌ぎました。どのように成し遂げたんですか?」という質問に対し、大坂は「オー」と言い放ち満面の笑み。
その後のコメントが良かったですよね。
「おかしく聞こえるかもしれないけれど、私は本当にセリーナとプレーしたかったの」
このコメントにスタンドからは割れんばかりの歓声が沸き起こりました。
幼少期から女王セリーナがアイドルだったと告白しているだけに、本当に憧れのセリーナとの対決に喜ぶ様子が伺えますね。しかも決勝ですから、夢が現実になったわけです。
2.セレモニーでのスピーチで
試合後のセレモニーでは、客席からブーイングが起こりました。
スタンドの誰もが女王セリーナ・ウィリアムズの優勝を期待していたからです。異様な雰囲気のままセレモニーが進んでいきます。出産後の初の全米制覇に期待するのは当然なのですが、大坂がとても可愛そうに見えました。
そんな期待に答えようと試合に臨んだセリーナでしたが、思うように試合が運ばす、審判に抗議したり、ラケットを折ったりと荒れた試合展開になったようです。
https://t.co/2Ui4AZ04Oa
~セリーナが黒人だからペナルティーとられて負けたと思ってる黒人ファンが大勢いるみたいだね。US Openの公式チャンネルにはそう主張してる人達がたくさんいたよ。大坂なおみがどうこうっていうよりアメリカの黒人差別の根の深さゆえのブーイングだったんだろうね。— ginnji2010 (@ginnji2010) 2018年9月9日
しかし、敗北しイライラが残っているはずですが、女王セリーナはやはり違いました。セレモニーで先にマイクを向けられたセリーナは、
「無礼なことは言いたくありません。彼女はとても良いプレーをしました。彼女にとって初めてのグランドスラム優勝です」
(目に涙をため、ことばをつまらせる)
「みんな応援してくれてありがとう。そして最高の瞬間にしましょう。もうブーイングはやめてこれを乗り越えましょう。おめでとうなおみ!もうブーイングはやめて!」
「コングラチュレーション、ナオミ」
と大坂を称賛しました。
セリーナは自分をとても敬愛してくれていると知っているので、大坂のプレーの上手さや凄さを認め、結果も受け入れた上でのコメントだと思います。
試合中に、拍手のようにラケットを叩いてプレーを称えたシーンもありました。「ブーイングはもうやめて」という彼女の呼びかけで会場の雰囲気も変わりだします。
#大坂なおみ 日本人初の四大大会でのV!
「(ウィリアムズに)プレーしてくれて有難う」#セリーナ・ウィリアムズ
「彼女はいいプレーをした。(自分を応援する会場からブーイングが起こった事に触れ)最高の瞬間にしましょう。もうブーイングは止めて。おめでとう、ナオミ!」https://t.co/LN9sWxCrR6 pic.twitter.com/XNNw4WxsVO— テキサスの黄色いバラ (@_572968669757) 2018年9月9日
観客のブーイングは本当に最低だと思うけど、本来なら敗者で悔しいはずなのに観客を諌め、大坂なおみを讃えるセリーナウィリアムズ選手は本当に大きな心をもった素晴らしいアスリートだと思います。https://t.co/CWThxOVbIW #全米オープンテニス
— 仁やマスター (@hitoshi1148) 2018年9月9日
続いて大坂に向けてインタビューが始まります。「準決勝が終わって夢があると言っていましたね。グランドスラムの決勝でセリーナとプレーするという夢があると。現実になりましたね」
これに対して大坂は涙を浮かべながら答えました。
「ちょっと質問に対してではないことを話します。みんな彼女(セリーナ)を応援していたことを知っています。こんな終わり方ですみません」
これには会場から大きなどよめきと拍手が寄せられました。
「試合を観てくださってありがとうございます。本当にありがとう」
と大坂。
インタビューアーが「勝利を決めた後にチームのみんなとお母さんと抱き合いましたね」とマイクを向けると、
「母がここに来て試合を観たということは、彼女にとっても大きな意味があったと思います」
「ただ、私の父は生で観るのが嫌なので残念ながらここには来ていません」
これには、会場から大きな拍手と笑いが起きました。
セリーナの呼びかけと、大坂の涙のあいさつでブーイングがおさまり会場の雰囲気が変わりました。
大坂は続けます。
「セリーナと全米の決勝で対戦する夢がありました。それがかなってうれしいです。プレーしてくれてありがとう」
と16歳上の元世界女王に感謝します。
このときペコリと頭を下げたので、会場からは歓声が巻き起こりました。
優勝トロフィーを受け取るときには、もうブーイングはなく、観客は大坂にあたたかい拍手を送り、快挙を称えていました。
最後にはやっと大坂に笑顔が戻りました。
夢だった憧れのセリーナとの決勝対決。思いっきりアウェイでの試合。観客の期待を裏切っての優勝。本当に複雑な心境だったと思います。セレモニーが始まっても、帽子で顔を隠すようにうつむき加減。暗い表情。優勝者は、隣にいるセリーナの方かと思えるような状況でした。
そんな苦しい時間でしたが、セリーナと大坂の2人のスピーチで大会をあたたかく閉めることができたと言っていいと思います。
試合中のメンタルが強くなっただけでなく、試合以外のところでもメンタルが鍛えられ、観衆をどんどん味方につけていく。そんな大坂なおみはとてもかっこよく、素晴らしいと思いました。
3.試合後のインタビューで
Q.今の気持ちは?
「今はとても疲れ果てているけど、幸せと感動の嵐の中で、少しずつ実感してきています」
Q.夢で見たセレナと今日戦ったセレナは一緒だった?(伊達公子の質問)
「うん、一緒」
Q.試合を振り返えると?、
「セリーナがスロースターターということを分かっていて、出だしを積極的に攻めたのが良かった」
「これはサーシャ(コーチのサーシャ・バジン)のアドバイスもあったし、走らなきゃいけないという覚悟はありました」
と語ています。
コーチのバジンはセリーナのヒッティングパートナーを務めていた経験があったため、セリーナのことを知り尽くしていました。そのコーチの経験とアドバイスが今回の優勝につながったようです。
Q.サーブの調子がとても良かったが?
「セレナのリターンは彼女の強みだから、とても良いサーブを入れなければいけないと思っていました」
「一番大事なところで自分のサーブが入る、という自信を持っていました」
Q.会場の雰囲気は?
「会場に入る前からアウェイだということは分かっていました。でも、そんなことよりも彼女とこの大舞台で戦えることは名誉なことだと自分に言い聞かせていました」
それぞれのコメントの中にメンタルの成長が伺えますね。バジンコーチのおかげだと思います。
優勝後に大坂は、お母さんに「今までの感謝を込めてありがとうと伝えた」らしいです。
また、セレモニーの最中、セリーナに
「あなたは勝者にふさわしい選手で、その喜びと幸せを身にしみて感じて欲しい」
と言われたよう。憧れのセリーナに言ってもらえて本当に嬉しかったでしょうね。
Q.次の夢は?
「目標は変わらず、どのトーナメントでも勝ちにいかなければいけません。もちろん、次のグランドスラムでも勝たなければいけません」
と落ち着いてコメントしたようです。
Q.セレモニーを待つ間に、試合が終わったにも関わらずバナナやエネルギーバーを食べていたことについては?
「習慣だから」
と笑顔で回答。目に浮かぶようですね。
伊達公子「この状況で涙を流しながらバナナを食べるのも珍しいですけど(笑)」
優勝が決まり何故か泣きながらバナナを食べる大坂なおみ。 pic.twitter.com/8UXtMTjVBP— Astroフット (@AstroFoot) 2018年9月9日
Q.今一番したいことは?
「抹茶アイスクリーム食べたい」
と即答だったと。「全米オープン」の2週間は我慢していたそうです。やはり勝つためには何かを我慢しなければいけないのかな。
Q.有名になったことでもう原宿には行けないかも?
「帽子を深く被っていく」
と答えたみたいです。
大坂は「原宿や渋谷に行くのが大好き」と言っているようで、日本に来たときは原宿や渋谷に行っている可能性が高いと言えそうですね。
帽子を深くかぶって、抹茶アイスクリームを食べている女性を探せば、大坂なおみに会えるかもしれません。
Q.9月17日から東京の立川市で行われる「東レ パン・パシフィック・オープン」では、日本のファンにどんな姿を見せたいか?
「『全米オープン』のチャンピオンとしてふさわしい姿を日本のファンのみなさんに見せたいと思うけど、自分にプレッシャーをかけ過ぎず、コート上では楽しくやっていきたい」
と抱負を述べています。
ということは、近々日本に来るということですね!日本での活躍が楽しみですね。
4.実は”札幌市民”!北海道の地震を心配
大坂なおみは、ハイチ系米国人の父と日本人の母の間に大阪で生まれました。3歳で米国ニューヨークに移住しています。日米の二重国籍でありながら、テニス選手としての国籍は日本を選択してプレー。
母方の祖父は北海道在住で、大坂の日本の住民票は札幌市にあるようです。
大坂なおみ祖父「ビックリしました」根室から祝福#tennis #大坂なおみ #全米オープン #USOpen #USOPEN2018https://t.co/lOBw3kVgVR
— 日刊スポーツ (@nikkansports) 2018年9月9日
6日に発生した北海道の地震については聞いているらしく、優勝語のインタビューの最後には、日本のファンに向けてコメントしています。
「ありがとうございます。日本の最近のこと、台風や地震のことは私の耳にも入っています。みなさんの安全に過ごせることをお祈りしています。ありがとう」
”札幌市民”の大坂が、「全米オープン優勝」という形で北海道民に元気を届けました。
5.まとめ
大坂なおみは、ここまで様々な苦労があったと思いますが、念願のグランドスラム制覇!日本人初の全米オープン優勝を成し遂げることができました。
しかも、夢だった「セリーナとの決勝対決」も果たし、結果も6-2、6-4のストレート勝ち。本当に素晴らしい結果でした。
試合後は、「ブーイング」の中で暗い雰囲気のセレモニーでしたが、セリーナと大坂の2人で会場の雰囲気を一変させ、全米オープンを「最高の瞬間」で終わらせることができました。
大坂のスピーチやインタビューの一言一言にメンタルの成長が感じられますし、お茶目で天然っぽいキャラは磨きがかかっているようなので、今後の活躍とコメントが期待されますね。
今後も注目しましょう!