NHK Eテレの昆虫番組、第2弾の「香川照之の昆虫すごいぜ!」。
今回もヤバイ内容でしね。2時間目は「モンシロチョウ」の授業でした。
スタジオでの冒頭、香川照之はこのように発言。
「アイム バック! カァ~ッ!」 → カマキリポーズ炸裂!
とても気合の入った形相でしたね。
一体、どんな内容だったのか、どんな昆虫愛や名言が飛び出したのか?以下にまとめてみましたので、ネタバレ覚悟で読んで下さい。
目次
これも昆虫愛から?こだわりがスゴイ!
授業が始まる前のこと。前回の着ぐるみ(カマキリスーツ)から変更した所に気づいたかどうか、子カマキリの新谷あやかと寺田心に聞きます。
また #小さな巨人 を見るとカマキリ母さんの事が頭をよぎるんだろうかねえ。 #昆虫すごいぜ pic.twitter.com/EZlWI3xs7g
— 純@春は有頂天に進撃するサクラクエスト (@njliner_Z0) 2017年5月5日
「本物のカマキリに近づけたい」
そんな香川照之の強いこだわりで顔に濃淡の線を塗り直したうえ、カマキリが顔の掃除に使うカマの内側にあるブラシも追加したのだそう。
「今回も着ぐるみ監修」とわざわざ表示していることから、こだわりの強さが伺えますね。
そのあと、子カマキリの新谷あやかが「わたし、昆虫をゲットする(スマホの)ゲームをやってたんですけど、一番…」と言った途端、カマキリ先生の一喝が飛びます。
「昆虫をゲットするゲーム?なんだそれは!?お母さんに向かって昆虫をゲットするゲームとは何を言ってるんだ!」【名言】
そんなこんなでいよいよ野外へ出かけます。
モンシロチョウを捕獲せよ!
場所は、多摩川河川敷(東京都世田谷)です。周辺は草むらですが、遠くには土手やグランドも見える所。人が見にくるような場所ではありませんでしたね。撮影にはもってこいのところです。
早速、着ぐるみを着た51歳は、モンシロチョウの捕獲に取り掛かります。肘当てと膝当てのサポーターをしているので、草むらに飛び込む覚悟があるのは充分見てとれます。
いきなりチョウを見つけると、飛び込みながら素手でとろうとするが簡単にはつかまりません。カマキリ先生は汗をかき、息を切らしていますが、全くやめる様子はなし。
なんだかんだ説明しながら捕獲を続ける途中で、画面には【MEMO】が表示されます。Eテレの昆虫番組ということもあり、子どもにわかりやすい簡単なことばで読み仮名もふって説明されていました。
【MEMO】春のチョウは元気で捕まえるのがむずかしい
【MEMO】動きが不規則で予測できない
【MEMO】アブラナ科の植物が好き
モンシロチョウがすぐいなくなるし、なかなか見つからないので、花にとまる習性を利用し、「ナノハナ」や「ハマダイコン」などのアブラナ科の花のそばで待つことに。
素手をあきらめ帽子へ
それでも捕獲することができないので、子どもの頃に使っていたという「帽子」で捕獲をチャレンジすることになりました。
と、そのとき草むらに動くものを発見して捕獲。
「クサキリだと思うんですけど、クビキリギスかもしれない。もはやチョウはどうでもよくなりました。カマキリ先生はこちらが大好物でございます。」【名言】
捕獲したものはクビキリギスだったようで、カマキリ先生は名前の由来を話ます。
【MEMO】クビが切れてもかみつづける ※名の由来には諸説あります
捕獲開始から1時間 網を使う
ここでモンキチョウを捕獲します。
網からそーっとチョウを取り出して言ったことばは次の通り。
『触らないで』『私のことは触らないで』とこう動くこの伝わる力。これをきみたちにもつたえてあげたい!【名言】
網で捕獲しようとしてもなかなか捕獲できない、そんな状況にカマキリ先生は自虐的に。
「返しが遅くなってるな。一投目で失敗したらすぐ返せっていうね…。この返しがやっぱ、51歳は遅い。」
一見、刀さばきのように網を振って返してという行動。網でのチョウの捕まえ方を子カマキリたちに指導します。
【MEMO】一度失敗してもすぐにきり返せ!
【MEMO】あみを返して入り口をふさぐ
刀さばきのように網を振ったあと、「またつまらぬモノをきってしまった」。時代劇のおきまりのセリフですね。
カマキリ先生が「やっぱ俺、腕が落ちてるな。老眼なんだよ、ほんとに。」と言うと、子カマキリの新谷あやかが「なんかすごい、51歳の部分がでちゃってた…」と言ってしまいました。
そのとたん、「うるさい!」とまたもや一喝。
とても面白いやりとりでしたね。
今度は、カマキリのように同じ場所でじっと待つ「カマキリ戦法」でチョウを捕まえようとします。待つこと数分、やっと確保したかと思ったら、ツマキチョウ(オス)。モンシロチョウより少し小さくて、羽の先がちょっと黄色い。直線的に飛ぶので捕まえやすい。
と、こんな解説をしている顔の前を1羽のチョウが舞っていきます。すかさず網をサッサッと振って返して見事ゲット!その様子を別のアングルから撮影したVTRを観てカマキリ先生が言ったことばがコレ。
「これ、顔をさぁ、CGで消したら、カマキリが本当にとってるように…」【名言】
本当にそのように見えるのですが、捕獲したのは羽の先が白いツマキチョウ(メス)。残念!
捕獲開始から3時間 大きなアミ
「来たろー。来ました。モンシロチョウ!」
やっと目的のモンシロチョウを捕獲することができました。息を切らして、汗をかいています。オスとメスの違いの説明もあり、観ている子どもでも区別ができるような配慮を感じました。
【MEMO】メスははねの根元がより黒い
【MEMO】はねが傷つかないようにふきながしで観察
固い虫かごに入れるとはねが傷ついてしまうため、やわらかい布でできたふきながしに入れるとよい。
ふきながしの中のモンシロチョウを見て満足したところで、撮影が終わりになるのですが、その時のことばがコレ。
「まさかカマキリに見られているとは思わない、このモンシロチョウくん。」
「楽しいな、虫とり。ずっとできるな。」【名言】
触って命を感じよう!
スタジオに移って、実際の観察が始まります。
【MEMO】はねにはりん粉というこながついている
【MEMO】やさしく手に持って躍動感を感じる
カマキリ先生は、モンシロチョウの持ち方やりん粉の説明をしながら、ふきながしからモンシロチョウを取り出し、心くんに渡します。そして、はねを持たせ、あしや胴体をさわらせて躍動感を体感させます。
その時の一言も素晴らしい。
「ピクピクって動く感じがいいのよ。生命感があっていい。」【名言】
そのあと、娘の新谷あやかが「すごかったほんとに。」と言ったのに対して、お母さんは「『すごかったほんとに』って、もう終わろうとしていないか。あなたも触るんだよ。だって、ほらちゃんとピッて入れるだけだから…」と娘の方へモンシロチョウを渡そうとする。
そのときのやりとりがまた面白い!
娘「なんか害は…?」
お母さん「害はないよ。むしろ、この子にとってお前(新谷あやか)の方が害なんだよ。」【名言】
実際にモンシロチョウを触った新谷あやかは興奮状態でしたね。生きている躍動感を感じて、手についた鱗粉に感動して、カトちゃんぺ(カマキリ先生談)を繰り返していました(笑)。
※昆虫をさわったあとは手を洗いましょう」と画面右下に表示がありました。
【MEMO】りん粉ははねを守っている
【MEMO】成虫の寿命は10日くらい(地域や季節で差があります)
以上のことをカマキリ先生が解説しているときに、寺田心くんがモンシロチョウを逃してしまいます。逃げられたモンシロチョウを、即座にスタッフが網で捕獲したときの香川照之の一声がコレ。
「はい~。はい~。もう、打ち合わせたかのような…。」(スタジオ大爆笑)
昆虫大好き タガメへのラブレター!
「タガメちゃん、ほんとに好きなのタガメちゃん」から始まったこのコーナー。本当にタガメへの強い想いが伝わってくる内容です。
「陸の王者がカマキリだとすると、水の、川の、田んぼの王者がタガメでございます。まぁ、いわば、ジャイアンのようなものでございます。」【名言】
いきなり名言が飛び出しました。
タガメは、大型の水生昆虫で大きいものでは7センチメートルにもなり、大きな前あしをもっているのが特徴で、小魚やカエルを好物としています。
昆虫愛が感じられる発言ばかり
「どう猛であるということ。生きている魚をつかまえて、よくわからない行動に出るというわりには、キレイな水のところにしかすまないという。もう、上流階級なんだか下級武士なんだか、なんだかわかりません。このギャップがいいんです。」
子どもの頃、デパートで買ってもらったタガメを庭の水がめに入れて寝てしまったら、翌朝もういなかった。はねがあるので飛んでいってしまったらしい。それ以来、生きているタガメにお目にかかったことがない。
そのようなエピソードを話したあと、「環境問題。人間が水を汚してしまった結果、なかなかお目にかかれない。」ということをおっしゃっていました。
そして、絶滅の危機にあるし、魅力的なボディ(大きい前あし)をもつので「キレイな水に住むオオサンショウウオと同じように、特別天然記念物に指定して保護してほしい【名言】」と言っていました。
とても深い昆虫愛のことばが続きます。
「ひっそりと生まれてひっそりとなくなっていく魅力的な昆虫がこれだけいるのを、多くの人が知らないわけですよ。でも、地球はこういう昆虫(タガメ)も含めてですけど、小さい蚊やノミとかもそうだけど、彼らには彼らのワールドがあるわけです。1つの虫にも魂が1つある。【名言】」
そして、逃げられたタガメの話題に戻って、
「あなたに会いにいきたい。どこにいますか。小学校5年のときに、こっ(庭の水がめ)から1日で逃げられたというトラウマがあります。お前をぜったいつかまえてやる!お前をあげてやる、待ってろタガメ! もう、恋だか捜査だかわからない。【名言】容疑者を探してる捜査一課長ですよ。犯人見つけた方、ぜひお便りを!」
〒150-8001 東京都 渋谷区 神南2-2-1
NHK 昆虫すごいぜ!「タガメ捜査一課」まで
モンシロチョウをじっくり観察
『ものすごい図鑑』というwebサイトが紹介されました。実際、心くんがタブレットを操作してモンシロチョウをじっくり観察しました。
指で縦横360度モンシロチョウを回転したり、拡大したりして観察することができるそうです。さらに、さらに花の蜜を吸う長い口のしくみや、複雑な目の構造などを動画で詳しくみることもできるのだそうです。電子顕微鏡でみる昆虫の細部はとても綺麗でスゴイですよ。
電子顕微鏡でモンシロチョウのりん粉などを見たあとに発したことばがコレ。
「自然がつくったものはすごいねぇ」【名言】
モンシロチョウのはねではばたけ!
モンシロチョウの体を測って、それを人間の大きさに置き換えた「カマキ先生専用のはね」を番組がつくりました。横幅4m37cm、たて3m42cm、重さが8kgです。
カマキリ先生はとても重そうにしながら、クレーンで吊るした体にそのはねをつけてもらいました。その時のことばがコレです。
「おぉ、これすげえな。ついにカマキリとモンシロチョウが合体した瞬間が…、夢の瞬間。【名言】」
「背中の圧が猛烈ですよ。」
「風、風。支えるだけで精一杯だよ。」
風が強いせいもあって、ひと羽ばたきもできずに終了となりました。クレーンで降ろされながら「ちょうちょ、すごいぜ!」とカマキリ先生。
降りてから、草むらで昆虫愛が炸裂しました。
「もう、みなさんね、虫はほんと本気で生きてんだよ。ほんとに体力もあるし。これで、カマキリとかに食べられないように頑張らないといけないんだから、モンシロチョウは。ねぇ、いろいろ、今度から虫を見たら、もう本当にがんばっているなと、先生と一緒に涙を流して見ましょう。【名言】」
「カマキリ先生のクレーンコーナーでした。」(笑)
一言一言に深い愛情を感じますね。誰もそんな見方を普通はしていないし、「昆虫から学ぶことがある」と言い切っている香川さんだからこその見方、思いなんでしょうね。
幼虫もすごいぜ!
最後は、幼虫(あおむし)についてです。(幼虫を触りながら)
人間の親子とはちがい、昆虫は親と子は離れ離れになって会えないということを、子カマキリの娘と息子に教えます。
【MEMO】幼虫はひとりで成長し生きていく
カマキリ先生
「子どもたちは、いいですか、お父さんお母さんには会えません。ひとりでいきていかなくてはいけないの。」
息子(寺田心)「さみしい!」
カマキリ先生
「さみしいでしょ。人間がいかに恵まれているか。昆虫はひとりなんですよ、生まれたときから。己ひとりで生きていかなくてはいけない。この昆虫をバカにしてはいけないよ。」【名言】
こんな見方をしているなんて、カマキリ先生はやはりスゴイですね。香川照之がただの昆虫マニア、昆虫バカではないことが明らかです。ほんとただ者ではないですね。
最後に、クロアゲハの幼虫が出され、ピンクの2つのツノを出すことが紹介されます。
【MEMO】身を守るためくさいニオイを出す!
授業のまとめ
◆カマキリ先生(香川照之)「お父さんとお母さんは会えない代わりに、親は子を思いエサの葉っぱに卵を産む」
◆子カマキリ娘(新谷あやか)「くさいのも親からの愛」
◆子カマキリ息子(寺田心)「ただバタバタしているだけじゃない。チョウにもスゴさがある」
授業終了
カマキリ先生
「授業が終わったあとも、虫が、幼虫が触れるようになるまで、ずーっと幼虫と特訓だよ。」
娘「いやだ!」
カマキリ先生
「もう105室をおさえてあるから。」
娘「リアルっ!いやだぁ。」
カマキリ先生「そこでずーっと特訓だよ。朝ドラ止めてまで撮るよ。【名言】」
昆虫が苦手な人にとっては、幼虫を触るのにはやっぱり勇気がいるんですね。モンシロチョウの幼虫とちがって、アゲハの幼虫は模様がグロテスクかもしれませんし。